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帰り道の暗くなりかけた歩道で、芝生の奥から
エンマコオロギの鳴き声が聞こえてくると
ああ、夏が終わったな、と感じる。
消え入るような独特の鳴き声は
韓国ドラマの時代劇でもよく耳にする。
コオロギもマツムシも種類がいくつかあり、ほかにはカンタンなど
みんなどことなく寂しい鳴き声の虫ばかり。
それらが一斉に鳴いて混ざって聞こえてくる。
なのに少しもうるさいとは思わないのは何故だろう。
そしてひときわ目立って聞こえてくるのは
やはりエンマコオロギだ。
彼らの鳴き声を聞きながら歩く時間は
それとなく心と身体を夏モードからシフト変えするのに
役立っているように思う。

北国で秋が終われば、すぐにでも長い冬が始まる。
農作物の生育状況は各地ともどうにか平年並みのようだ。
秋は収穫祭も楽しみの一つである。
普段何気なく耳にしたり、目にする美しい自然と
普段何気なく食卓を彩る野菜や果物は
決して当たり前に存在しているわけではない。
そんな現実について、今年は殊の外考えさせられる。
これからもずっとこの自然を変わらず残していく使命が
私たちにはある。